コラム

最近、気になる糖尿病の合併症は?

2019年6月19日
提供元:
NPO法人エビデンスベーストヘルスケア協議会 株式会社ライフケアパートナーズ
糖尿病は血液中の糖分が異常に上昇する病気で、いろいろな合併症を引き起こします。
その代表が失明の原因となる糖尿病網膜症です。
手足のしびれやこむら返りを引き起こす糖尿病神経障がい、透析の原因となる糖尿病腎症とともに糖尿病の3大合併症と言われています。
患者さんには「神経、眼、腎臓の頭文字をとって『し・め・じ』と覚えてくださいね」と説明しています。
なぜ、糖尿病になると神経、眼、腎臓が悪くなるかというと、神経やこれらの臓器には細い血管がたくさん集まっているからです。
糖尿病では脳や血管など太い血管も傷つけ、動脈硬化を引き起こします。
糖尿病は、別名「血管の病気」とも言われるゆえんです。
最近のトピックスとして、糖尿病になると認知症になりやすくなることがわかってきました。
高血糖が続くと、脳の血管が動脈硬化を起こすので、脳血管性の認知症になりやすいことは想像にかたくありません。
ところが、脳の血管に動脈硬化が起きると、アルツハイマー病にもなりやすくなることがわかってきました。
また、糖尿病になると、骨の質が悪くなり、骨折しやすいことも知られています。
そして、糖尿病の人の死因の第1位はがんで、糖尿病になるとがんにもなりやすいことがわかっています。
特に、すい臓がん、肝臓がん、大腸がんになりやすいことがわかっています。以上のように、糖尿病はいろいろな合併症になりやすくなります。
そのため、合併症を併発するといろいろな診療科にかかる必要性がでてきます。
糖尿病にならない、糖尿病になっても合併症にならないようにしたいものですね。