コラム

生活リズムを整えよう

2019年6月19日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
生活リズムが狂うと、体調不良、労働生産性の低下だけでなく、高血圧・糖尿病・脂質異常などの生活習慣病にもなりやすくなります。
ところが、厚生労働省の国民健康・栄養調査(平成27年)の報告によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性37.4%、女性41.2%、5時間未満の人は男性8%、女性8.7%にのぼります。
6時間未満の人は、日中に眠気を感じている人が半数近くにもなっています。
平日は仕事で帰宅が遅くなり、夜遅い食事が続いていて、土日は9時間以上寝ている場合には「睡眠負債」が疑われます。
帰りが遅くなると、空腹感から一気にたくさん食べて、風呂にも入らず、そのまま寝落ちしてしまうことさえあります。
近年、睡眠不足が肥満になるメカニズムもだんだんわかってきました。
健康な人でも、強制的に睡眠不足にすると、満腹ホルモンであるレプチンが減って、摂食ホルモンであるグレリンが増え、食欲が出る太りやすいホルモン環境になります。
興味深いことに、睡眠不足になると甘いものや塩辛いものが食べたくなります。
その結果、肥満や高血圧が助長されるのです。
睡眠時間の確保のために、前出の国民健康・栄養調査で20~50歳代の男性では「仕事を早めに終わらせる」(就労時間の短縮)、20歳代の女性では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中しない」、40 歳代の女性では「家事のサポート」、60 歳以上の男女 では「健康状態の改善」が最も必要と報告されています。
中には、ベッドにいる時間は長いけれど、睡眠の質が悪い人がいます。
アルコールを飲みすぎている人は、睡眠が浅く、熟眠感が少なく、朝の目覚めが悪い傾向があります。
これはアルコールが分解される際にできる毒性の強いアセトアルデヒドが、深い眠り(レム睡眠)を妨げるためと考えられています。
休肝日を作ることで、朝の目覚めがよくなることは多量飲酒者ではよく経験されます。毎年、受ける健康診断の問診項目のひとつに、「睡眠で休養が十分にとれていますか?」という質問があります。
その質問に「いいえ」と答えた人は、テレビを見ながら床につかない、休みの日も同じ時刻に起きる、寝る前にスマホをいじらない、節酒など生活リズムの改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。