コラム

高尿酸血症って何?

2019年1月10日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
高尿酸血症って何?
尿酸とは、細胞の核などに含まれているプリン体という物質が肝臓で分解されてできる老廃物です。
車やベランダに鳥が白いフンを落とすことがあります。その白い物質が尿酸です。
この尿酸が結晶化する濃度が7.0mg/dLとされています。
そのため、痛風や腎障がいの原因となる高尿酸血症の定義は、血清尿酸値が7.0mg/dL以上となっています。
30歳代男性の高尿酸血症の頻度は30%に達するとも言われています(高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版)。
ちなみに、デザートの「プリン」(Pudding)と「プリン体」(Purine)は英語の綴りも違い、別物です。
それでは、なぜ尿酸値が上がってしまうのでしょうか。
成人の体内には約1,000㎎の尿酸が蓄積されています。これを尿酸プールと言います。
このプールにたまる量は作られる量(産生量)と体の外に出される量(排泄量)でバランスがとられています。
食べ物から約100㎎、体内で合成されるのが約500㎎。つまり、プリン体を多く含む食品を控えるだけでは、尿酸値はなかなか減りません。
尿酸の産生を抑えるためには、肥満を解消することが第一です。
一方、腎臓から尿中へ排泄されるのが約500㎎、腎臓以外から排泄されるのが約100㎎。この腎臓からの排泄を悪くするのも肥満です。
また、アルコールは生ビール1杯程度なら、焼酎やウィスキーなどプリン体の少ないアルコール飲料に変えることで尿酸値の上昇を抑えることが期待されます。
ところが、焼酎も3杯を超えるとアルコール自体が悪さをして尿酸値を高くします。痛風発作はアルコール摂取量に比例します。
そして、たまの激しい運動も尿酸値を上げますが、適度な運動を行っている人は痛風になりにくいとされています。
ということは、プリン体制限にばかり、注目するのではなく、体重コントロールや節酒、運動に注目する必要があるようです。
痛風発作を起こしやすい典型的なパターンは、たまの激しい運動→脱水→アルコール摂取です。思い当たる方は、注意するようにしましょう。