コラム

骨粗しょう症予防のための食事とは(後編)

2018年7月11日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
骨粗しょう症予防のための食事とは
カルシウムだけでいい?
骨粗しょう症の予防にはカルシウムを摂ることが大切、と前編でお話ししました。それではカルシウムを大量に摂取したら、骨密度が増して骨折しにくくなるのでしょうか。
答えは、「NO」です。腸管からのカルシウム吸収量は、ある摂取量以上では、いくらとっても変わらないと報告されています。
また、カルシウムが体内に吸収されるためには、他の多くの栄養素が必要であることもわかってきました。
カルシウムの吸収・利用をたすける栄養素
カルシウムが体内で吸収・利用されるには、ビタミンD(魚類、きのこ類)、ビタミンK(納豆、緑黄色野菜)、たんぱく質(肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品)など、さまざまな栄養素が必要です。
そのためには1日3回、規則正しくバランスのとれた食事が大切です。骨折を心配して、特定の食品やサプリメントだけを摂取することは控えるようにしたほうがよいでしょう。
食事バランスガイドの活用
1日当たりのバランス食の目安として、2005年に厚生労働省と農林水産省が「食事バランスガイド」を決定しました。
バランスのとれた食事とは、ある特定の食品をとれば良いのではなく、基本は主食(ごはん、パン、麺類など)、主菜(タンパク質を主としたおかず)と副菜(野菜、きのこ、海藻類)の組みあわせです。
併せて果物(例:リンゴ1個)と乳製品(例:牛乳コップ1杯)の摂取を心がければ食事全体のバランスがとれます。骨粗しょう症予防にもぜひ活用してください。
なお、性別、年齢、身体活動量によって各項目の摂取数は異なってきます。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。
食事バランスガイド
骨密度ピーク後の対策
骨密度は、男女とも加齢によって減少することが確認されています。その減少率は男性よりも女性のほうが大きくなります。
特に女性の場合は20歳代にピークを迎えて骨密度が最大となり、以後は徐々に減少し、閉経を迎える50歳ごろから減少は加速します。
骨密度減少のスピードを遅くするためには、食事とともに運動にも気を配ることが大切です。生活習慣を改善しなければ骨粗しょう症のリスクが高くなるのです。
次は骨粗しょう症予防の運動編です。お楽しみに。