コラム

食べ過ぎたらどうなる? (後編)

2018年2月15日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
食べ過ぎたらどうなる?
 前編で、人間を使った初めての過食実験を行ったときのことをご紹介しました。後編もジェクイエールによる研究報告についてです。
 今度はタンパク質も炭水化物も脂肪も、全部多めに食べさせて、24時間、エネルギー代謝を測りました。結果はどうなったでしょう?
 普段よりも多めに摂ったタンパク質は全て代謝されます。タンパク質は基礎代謝が上がりますし、熱産生が非常に盛んになりますから、太ることはないのです。ただ、タンパク質の場合、動物性タンパク質を摂ると、どうしても脂肪も入ってきてしまいますので、それに気をつけなければなりません。タンパク質は自分の身体を再構築するために使われるので、たくさん摂っても全く問題なく、第一優先で代謝されます。
 続いて炭水化物です。人間には脳があって、脳のエネルギーは全て糖質です。
 ここだけでも1日に400キロカロリー使います。この大事な脳のエネルギー、そして、筋肉のエネルギーになりますから、少々余分にとっても全て代謝されます。つまり優先順位は、身体を再構築するタンパク質、人間の脳にとって大事な炭水化物の順で、それでもまだ足りないエネルギーがありますから、足りない部分は脂肪で燃焼しましょう、脂肪を使って補いましょう、という考え方です。
 そうすると、残りの脂肪はどこに行くのでしょう? それは、24時間以内に皆さんの身体の脂肪になります。
つまり、脂肪さえ食べなければ、太らないということです。
ところが、脂肪はうまい。そこを自分の脳がいかにコントロールするか、というせめぎ合いですね。