コラム

ちょこまか運動のススメ

2018年1月10日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
ちょこまか運動のススメ
例えば、みなさんが講義を受けるとして、来場していったん座れば、人間のシステムはわずか3分ぐらいで定常状態に入って安定してしまいます。
そうすると自律神経もいったんお休みして、いわば待機モードに入ります。
一方、講師の私のほうはと言えば、立っていて、血圧を上げるのに心臓が懸命に動いているわけです。
ここで今、休もうとすると急に楽になりますから、副交感神経で血圧の調節も変えようとする。2~3分経つと、そのまま定常状態になりますね。
この時に、あえてまた立つわけです。そうすると、立つ動作のために血圧がぐっと上がります。心臓を動かさなければならないし、筋肉も、脳も使わなければならない、運動神経も使わないと……そうするとシステムにすごいチャレンジが起こるわけです。
ですから、歩き始めたら、30分ずっと同じテンポで歩いているよりは、5分ほど歩いてちょっと座って、3分経ったらまた歩くとか、かなり速く歩いて今度はゆっくり歩く…このような運動のほうが、はるかに体にはいいわけです。動く、座る、そのたびに身体がチャレンジを受けて、そのたびにシステムが更新されます。
自律神経が動いて、脂肪が燃焼しやすくなるのです。
結論として、座り過ぎは全身をめぐる血流が悪化して、狭心症、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病のリスクが高まるなど、健康にとって重大な危険因子であるとの見解が多くなってきています。
加速度計を用いた身体活動量計測研究によって得られた興味深い知見では、生活活動の中での「ちょこまか運動」が、代謝関連のバイオマーカー(身体状態を客観的に測定し評価するための指標)に好ましい効果をもたらすということがわかりました。
5分も座ったら完全に定常状態になるので、できればそこで1分でもいいから立つ。同じ1日の活動量でも、このような運動を繰り返すことによって、予防効果が違ってきます。