コラム

食事や運動で骨粗しょう症を予防しましょう

2019年6月19日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
■骨粗しょう症とは?
骨粗しょう症とは、骨の密度が低下して骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症の患者は、日本には約1,000万人以上いるといわれます。
この病気により、転んだ、重いものを持った、頭上のものを取ったなどのちょっとした衝撃で骨折してしまうことがあります。
骨粗しょう症は、痛みを生じず、自覚症状がないものが多いため、 定期的な検査を受けることなどが必要です。■原因は加齢や女性ホルモンの低下
骨は、古くなった骨を壊す働きの「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」という2つの働きによって新陳代謝が行われます。
健康な骨は、この「骨吸収」と「骨形成」のバランスが釣り合っていますが、骨粗しょう症の骨では、「骨吸収」の働きの方が、「骨形成」よりも上回ってしまい、骨の密度が低下します。
加齢により、腸管でのカルシウムの吸収や、このカルシウムの吸収を助けるビタミンDを作る働きが悪くなって、骨が弱くなります。
また、女性ホルモンであるエストロゲンは、「骨吸収」を緩やかにする働きがあります。
閉経を迎えて女性ホルモンが減ると、急激に骨の密度が低下します。
この理由から、骨粗しょう症は女性に多い病気となっています。

■骨粗しょう症により骨折しやすい部位
骨折をしやすい部位は、次のとおりです。
・背骨(脊椎椎体:せきちゅうついたい)
体の重さでつぶれてしまうことを「圧迫骨折」といいます。圧迫骨折を生じても、痛みを感じない場合や、腰痛として見過ごしてしまう場合もあります。背骨の骨折は、加齢とともに増加しています。
・脚の付け根(大腿骨近位部)
骨折の85%は転倒が原因といわれます。70歳以上の年齢で特に多くなっています。
・手首(橈骨:とうこつ)
50歳代以上に多くなり、年齢とともに増加しています。
・腕の付け根(上腕骨)
男女ともに60歳代以降に多くみられます。

■骨粗しょう症の検査
レントゲン検査や、骨の密度を測定する検査があります。
骨の密度を測定する検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルが含まれる量を測定します。

■骨を強くする食事と運動で予防
骨粗しょう症を、食事や運動で予防しましょう。
・食事
カルシウム(牛乳・ヨーグルト等の乳製品、大豆、海藻・小魚)、ビタミンD(魚類、きのこ類)、ビタミンK(納豆、緑黄色野菜)など、骨を強くする栄養素を積極的に摂りましょう。
・運動
骨は、負荷がかかると骨を作る細胞が活発になります。
ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れましょう。

食事や運動については、こちらの健康コラムもご参照ください。
「Vol.24 骨粗しょう症予防のための食事とは(前編)」
「Vol.29 骨粗しょう症予防のための食事とは(後編)」
「Vol.34 骨粗しょう症予防のための運動とは」

転倒は、屋外だけではなく、屋内でも起こります。
転倒しないよう注意して生活し、症状が無くても、女性は40歳を過ぎたら定期的に骨密度検診を受けましょう。