コラム

最適な食事バランスを求めて(後編)

2018年11月5日
提供元:
NPO法人EBH推進協議会
株式会社ライフケアパートナーズ
最適な食事バランスを求めて(後編)
前編では、食欲を増進するホルモンのグレリンの分泌を抑制するのに、最適なバランスを見つけるための実験の流れをご紹介しました。後編では結果をお知らせします。
まず血糖値を見てみましょう。血糖値が上がると満腹感を感じるのですが、朝昼ご飯を食べると、血糖値は緩やかに動いています。
朝抜き、2食分パンを食べても、血糖値はそんなに上がりません。ということで、高脂肪食のパン食には、糖質が25%入っていますが、1時間もしたらなくなってしまう。血糖値が上がらないので、お腹がすいた気がするはずです。
続いて満腹感を見てみますと、朝にご飯、昼にまたご飯を食べると一番満腹感が持続します。同じカロリーの高脂肪食で朝・昼パンを食べたら、統計的に有意な差が出てきます。共に朝・昼食べて、同じカロリーなのに、午後3時頃に何かおやつが欲しくなる。明らかに満腹感はご飯のほうが大きい。
もっと大切なのは、エネルギー消費量です。ご飯食を食べた時に、体があたたかくなりますが、これを食餌誘発性熱産生といいます。朝、ご飯で食べると熱産生が一番高くて、昼飯もご飯で食べると更に熱産生が上がります。つまり、ご飯で食べると、カロリーの消費が高いということです。同じカロリーのものを食べても、高脂肪食だと、カロリーの消費が低い。朝食から昼食まで2~3時間、これを毎日積分していくと、ものすごく大きな差になります。
まずいのは、朝、絶食しておいて、昼に2食分のご飯を食べると、満腹感では、朝食べたほうと差はありませんが、エネルギー消費量で見てみると、昼にご飯を2倍食べても、なかなかエネルギー消費の差は埋まりません。つまり、午前中のエネルギー消費量の差が大きいわけです。
ですから、一番良い食べ方は、同じトータルカロリーを昼までに食べるのなら、朝、ご飯で食べて、昼もご飯で食べる、そうすると最も消費カロリーが大きいということになります。一番ダメなのは、朝食を抜いて、昼にがつっと高脂肪食を食べること。これが最も太りやすいんです。