私が生まれたのは1950年、終戦の5年後です。当時の日本人が摂取していた脂肪は、1日のエネルギーのうち7%以下です。
あとは何を食べていたんでしょう? 基本的にお米ばっかりですよ。
宮澤賢治の詩を思い出してください。「雨ニモマケズ」の詩の中で「一日ニ玄米四合ト/味噌ト少シノ野菜ヲタベ」とあります。
1日4合の玄米を食べていたんです。おにぎり10個分ですね。宮澤賢治が生きた明治半ばから昭和初期の時代、この時期には糖尿病患者なんていないんです。
糖尿病の診断基準ができたのは、昭和45年(1970年)です。このころから糖尿病が目立ち始めてきたのです。
アメリカの政策でもっと牛肉を食えと言われた、そういう影響もあるでしょう、食生活が劇的に変化してきて、1990年代末に、エネルギーの26%を日本人は脂肪で摂るようになりました。
摂取するのはいいとして、その後、運動量が激減してきています。
昔のように米ばっかり食べていれば、多少オーバーしても太ってないはずです。
アメリカ人の場合、1日のエネルギーの摂取のうち、脂肪が占める割合が平均でおよそ30~35%、40%を超える人がいくらでもいるわけです。
アメリカ農務省の新たな食事ガイドラインでは、穀物+野菜+果物で全体の6割以上を占めており、アメリカは国策として『日本水準』の食生活を目指しているようです。
まとめると、運動不足、NEATの激減、脂肪が多い食事によって、いろんな国の人が太ってきているのが現状です。