コラム

ヒートショック予防のために自宅でできる対策とは

2020年3月2日
提供元:
株式会社SPLENDID、株式会社ライフケアパートナーズ
凍える女性

ヒートショックは命に関わることもある症状ではありますが、日常のなかの工夫で、ある程度回避することができるものです。

今回は、ヒートショックになりやすい環境やなりやすい人の特徴、予防法について解説していきます。ヒートショックは身近に起きるトラブルです。対策がまだという人は、ぜひ今日から始めましょう。

 

ヒートショックになりやすい環境とは

ヒートショックは、以下のようなときなどに起こりやすくなります。

 

・暖房のきいたリビングから寒い廊下や脱衣所に移動したとき

・脱衣所で服を脱いだとき

・湯船に浸かるときや湯船から出たとき

・お風呂からあがって、脱衣所に移動するとき

 

これは、暖かい(熱い)→寒い(冷たい)→暖かい(熱い)という気温(湯温)の変化が短い間に起きることで、血圧が急激に変化することが原因となります。

温度差が10度以上になる状況では、とくにリスクが高いとされているので注意が必要です。

 

ヒートショックで起きる身体の変化

人の血管は、暖かいところでは身体の熱を放出するために拡張し、寒いところでは身体の熱を閉じ込めるために収縮します。そのため、暖かいところでは血液の流れが穏やかになって血圧が下がり、寒いところでは血液の流れが速くなって血圧が上がります。

これらは体温を一定に保つために備わっている大切な機能です。

 

しかし、温度変化が大きすぎると血管の拡張・収縮も激しくなり、血圧も急上昇・急降下することになります。

急激な温度低下で血圧が急上昇したときには心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの病気を引き起こし、命に関わる事態に陥ることもあります。

また、寒いところから暖かいところに移動して血圧が急激に下がったときは、めまいやふらつき、意識障がいを引き起こすことがあり、転んだりお風呂で溺れたりするなどの危険を伴います。

 

ヒートショックになりやすい人とは

以下のような人は、ヒートショックになりやすいので注意しましょう。

 

・65歳以上

・高血圧、糖尿病、動脈硬化、不整脈などの持病がある

・太っている、肥満気味と言われた

・睡眠時無呼吸症候群と診断された

・一番風呂や熱めのお風呂が好き

・食べた後やお酒を飲んだ後にお風呂に入るのが好き

・いつも30分以上は湯船に浸かる

・深夜に入浴することが多い

 

ヒートショックを予防するための対策

ヒートショックにならないためには、血圧が急上昇・急降下しないように温度差をできるだけ小さくする必要があります。とくにお風呂やトイレでの対策が大切です。

以下のようなことに気をつけましょう。

 

  • お風呂では

・脱衣所や浴室をあらかじめ温めておく

・湯船の温度は低めの38〜40度に設定する

・いきなり浴槽に入らず、手や足から順にお湯をかけて身体を慣らす

・長湯をせず、30分以内に上がる

・浴槽から上がるときは慌てずゆっくりと

・食後すぐの入浴、飲酒後の入浴は避ける

 

  • トイレでは

・トイレを寝室の近くにするか、寝室に簡易トイレを設置する

・トイレに暖房器具を置く

・いきみすぎない

 

もし、家族のなかにヒートショックになりやすい傾向の人がいるようなら、お風呂場やトイレ、暖房がきかない廊下などのリスクが高い場所には、転倒してしまったときの備えとして手すりを付けるようにしましょう。また、いつもよりお風呂の時間が長いようなら、家族が声をかけてあげましょう。

 

ヒートショックは、少しの工夫でリスクを減らすことができます。とくに高齢者や持病がある人がなりやすいので、本人も家族も危険性を理解しておき、意識して対策をとるようにしましょう。